村落共同体における評価構造について、『若者と娘の民俗』(瀬川清子)には以下の記述があります。すこし要約します。
ユイやモヤイ、テマガエといった労働力を出し合ったり、協力したりする機会が多いので、働きの量や質が比較され、吟味される。村の青年や娘は15歳から17歳ごろから、その働きぶりが注目され、評価されていた。
20歳くらいになると十目のみるところ、十指のゆびさすところ、おのずから誰が強い、弱い、誰が働き手であるという評価が決まって、ほめられたり、さげすまれたり、娘の憧れの的にもなり、自然に、仲間うちでも人物の大小も決まったのである。こういう評価は古老の判断を待つまでもなく、村の母たち、娘たち、子供らでさえ、はたらきを見る慧眼をもっていたから、この評判は、村人全体の採点の総合だったのである。
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評価とは、古老だけの判断ではなく、集団のみんなからの総体の評価ということです。人の共認回路の評価構造がまっとうなかたちではたらいていたということです。お互いの力量をオープンに評価する空間があることで、若者の自我も封印され、力量をつけていくために、まっとうに努力をしていったと思われます。現代の家庭という閉鎖空間で育てられるのことの問題性と集団全体からの期待圧力をうけて育つことの必要性を感じます。そのためにはオープンな評価空間が不可欠に思います。
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